一日の約3分の1を占める睡眠。その質を左右する寝具には、できればいいものをお得な価格で手に入れたいと思いますよね。しかしマットレスはどのくらいの価格帯が適正なのか、そして価格差と実際の品質にはどの程度違いがあるのか、あまりよく知らない人も多いかもしれません。
この記事は、価格差の理由やサイズ別の予算の目安など、マットレスを購入するときに参考になる情報について、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本がまとめました。
目次
マットレスの相場|製品によって価格差が大きい
株式会社ライフアカデミアの調査によれば、マットレスの予算として「3万円未満」を挙げる人が8割を占めるそうです。
とはいえ、マットレスの価格は数千円程度から百万円以上まで実に幅広く、また製品によって品質に大きな差があるため、マットレスの相場感を出すのは簡単ではありません。また、人それぞれ体型や好みも違います。
下記は、使用中のマットレス・敷き布団の価格について733名にアンケート調査を行い、価格帯別に集計した結果です。
出典:株式会社ライフアカデミア
10,000〜29,999円のマットレス・敷布団を使用している人が最も多いことが分かります。さらに、「9,999円以下」と「10,000〜29,999円」を合わせると8割を超えます。つまり、8割以上の人が30,000円以下のマットレスを使っているのです。
素材によって変わるマットレスの価格
マットレスの価格は、主にマットレスの中身の素材が影響するといってよいでしょう。マットレス選びの際にはウレタンとスプリング(コイル)素材のどちらかが候補にあがることが一般的です。
ウレタン
マットレスに使われているウレタンとして一般的な素材は、低反発ウレタン、高反発ウレタン、そして高反発素材と低反発素材をミックスした素材です。
高反発ウレタンと低反発ウレタンをミックスしたハイブリッドウレタンは、機能性に優れた商品が多く、他のウレタン素材より高額になる傾向があります。
スプリング素材
スプリング素材は、ボンネルコイルとポケットコイルの2種類に大別できます。ポケットコイルはマットレスの中でも高価格なものが多く、高級な商品になると十万から数十万の価格が相場です。一方、ボンネルコイルはポケットコイルと比べるとお手頃です。
その他(ファイバー、ラテックスなど)
ファイバー素材のマットレスの相場は標準的です。ウレタン素材と同程度、またはやや高めの価格帯でしょう。ただ、耐久性があまり高くないことから、コストパフォーマンスが良いとは言えません。
ラテックス素材の価格は、天然のラテックス素材の含有量によって変わります。天然ラテックス100%となると高価になり、他の原料が混ざった合成ラテックスだと安価になります。
なお、マットレスの素材についてさらに詳しく知りたい場合は、これらの記事をご参照ください。
マットレス8種類の特徴やメリット・デメリットを解説!
後悔しない選び方とはスプリングマットレスとは?ウレタンとの違いや種類・特徴・選び方を解説!
低反発と高反発を組み合わせた独自開発のウレタンフォームによる、
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なにが違うの?マットレスの価格差のわけ
およそ8割の人が3万円以下のマットレスを使っているわけですが、もちろん高価なマットレスを選ぶ人もいます。では、高価なマットレスは安価なものと比べてどのような点が優れているのでしょう。
お気に入りのマットレスを遠征に持参するアスリートから、どうせ眠ってしまうのだからこだわらないというタイプまで、寝具に対する考え方は人それぞれですが、中には自己投資であると考えて機能性の高い製品に投資する人もいます。
上質な睡眠は日々のパフォーマンスを高める重要な要素であるため、たとえ相場と比べて高価な製品であっても、長期的に見ればメリットが大きいと判断するのです。
高価なマットレスは、主に以下の5つの側面で高い機能を備えています。ここでは、5つの機能についてまとめ、それらのメリットについて解説します。
- 体圧分散性
- 振動吸収性
- 弾力性
- 通気性
- 耐久性
体圧分散性|体への負担を軽減する
体圧分散性とは、体圧が均等に分布しているかどうかを示す指標です。
床に直接寝そべってみると、肩や腰、お尻など体の突出した部分に集中して体圧がかかっていることがわかるでしょう。これが「体圧が分散されていない」状態です。
体圧分散性に優れたマットレスを使うと、腰や肩にかかる負担が軽減され、筋肉が過剰に緊張することなくリラックスした状態を保てるため、快適な睡眠が促されます。
体圧分散性能が高いのは柔らかいマットレスです。マットレスが体圧分散性に優れているかどうか判断するには、柔らかさに着目しましょう。体の自然な曲線に沿って心地よく沈み込むマットレスは、体圧分散性が高いといえます。
一般的には、低反発ウレタンやポケットコイルのマットレスは柔らかさに優れています。ただし、柔らかすぎるマットレスは、沈み込みが深すぎることから腰痛を引き起こしたり、寝返りが打ちづらくなる可能性があります。
振動吸収性|隣の人の寝返りが気にならない
振動吸収性とは、寝返りなどの振動を吸収し、揺れをマットレス全体に伝わりにくくする機能です。この機能は、パートナーや子どもなど2人以上で同じマットレスを使用する場合に重要です。
振動吸収性能の高いマットレスは、自分の寝返りによる振動が相手に伝わりにくく、またいっしょに寝る人の振動もマットレスに吸収されるため、ぐっすり深く眠りやすくなるというメリットがあります。2人以上で寝たり、ペットといっしょに寝る場合におすすめの機能です。
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弾力性|体を支える
いわゆるマットレスの「硬さ」を示す指標が弾力性です。一般的には硬いマットレスのほうが弾力性に優れているとされます。
弾力性は寝返りしやすさを左右する要素です。適度な寝返りは血流のために必要なため、睡眠中、私たちは無意識に寝返りしています。マットレスに弾力性がないと寝返りを打ちづらく、腰の痛みや睡眠の質を低下させかねない不要な緊張が生じます。
ぐっすり心地よい眠りのためには、ほどよい弾力性(かたさ)と体圧分散性(柔らかさ)の両方が必要になるのです。ここで「体圧分散性と弾力性を兼ね備えることは可能?」という疑問が浮かぶかもしれません。
しかし、一見相反する「かたさ(弾力性)と柔らかさ(体圧分散性)」の2つの要素を兼ね備えた高機能なマットレスは存在します。
具体的には、高反発素材と低反発素材をミックスしたハイブリッドウレタン、ラテックス、ポケットコイルスプリングの3タイプです。質の良い睡眠を取ることで、毎日のパフォーマンスを高めたいと思うなら、これらの素材を使ったマットレスを検討してみるのもおすすめです。
通気性|蒸れを防ぐ
マットレスに通気性が必要な理由は、睡眠中の体温上昇や汗による不快な蒸れを防ぐためです。
寝ているとき、私たちはコップ一杯程度の汗をかくと言われています。通気性の良いマットレスが湿気を逃し、心地よく快適な湿度を保ちます。反対に通気性の悪いマットレスは、湿気がこもりやすく、寝苦しさを引き起こす可能性があります。
マットレスの通気性は、主にマットレスに使う素材によって左右されます。一般的に通気性に優れているのはファイバー素材やスプリング素材ですが、高機能なウレタン素材にも、独自の技術により通気性を高めているマットレスもあります。
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耐久性|ヘタりを防ぐ
耐久性に劣る安価なマットレスの中には、一年以内に形が崩れ、ヘタってしまうものもあります。
劣化したマットレスを使い続けると体幹のバランスが崩れ、腰痛や睡眠の質低下につながるおそれがあります。いっぽう、耐久性が高いマットレスには、10年以上使えるものもあります。
安価なマットレスを次々に買い替えるよりは、耐久性の高い上質なマットレスを購入したほうが最終的なコストパフォーマンスが向上する場合もあります。また、QOL(生活の質)の観点でも多くのメリットが期待できます。
耐久性のあるマットレスを選ぶ際の一つの目安は、価格が3万円以上であること。なかでも素材に高反発と低反発をミックスしたハイブリッドウレタンやスプリングを使ったマットレスが耐久性において優れています。
サイズ別の相場について解説
サイズによってマットレスの価格の相場はどのくらい変わるのでしょう。マットレスメーカー21社が販売するマットレスの価格を調査し、サイズごとに価格の中央値を集計しました。
サイズ | 価格(中央値) |
シングル | ¥75,000 |
セミダブル | ¥88,000 |
ダブル | ¥101,750 |
クイーン | ¥130,000 |
※ 2023/9/9集計
※ キングサイズは取り扱い数が少なかったため除外
これらのデータからわかるのは、サイズが大きくなるごとに約1万円から3万円程度価格が上昇することです。もちろんこれらは中央値なので、よりリーズナブルなマットレスの選択肢も存在します。
価格帯別のマットレスの特徴を解説!あなたが探しているのは?
では、価格帯ごとのマットレスの特徴を具体的に解説します。
「どの価格帯のマットレスを選べばいいのか分からない」という場合、きっと参考になるはずです。
マットレスの価格帯(シングル) | 特徴 |
9,999円以下 | ・寝心地、耐久性ともにすぐれていないものが多い |
10,000〜29,999円 | ・もっとも購入層が多い ・寝心地はほどほど ・耐久性は低め |
30,000円〜59,999円 | ・寝心地が良い ・耐久年数は5~8年程度 |
60,000円〜99,999円 | ・寝心地はかなり良い ・耐久年数が8年以上のものもある |
100,000円〜149,999円 | ・寝心地ほぼ確実に快適 ・耐久年数が10年以上のものもある |
150,000円以上 | ・高級マットレスメーカーの中でも上位のモデル ・寝心地ほぼ確実に快適 ・耐久年数が10年以上のものが多い |
この記事を読んでいる人は、おそらく睡眠の価値を重視するタイプでしょう。そのような人におすすめしたいのは、6万から10万円未満の価格帯のマットレスです。
これだけの予算をマットレスに投じると、ほぼ確実に納得できる寝心地が期待できます。また、適切にメンテナンスすることで、8年以上使用できるものもあるでしょう。
質の良い睡眠を求めるなら、この価格帯のマットレスが一つの選択肢となります。
シングルサイズの価格は¥69,900
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まとめ:納得でき、予算に合ったマットレスを試そう
マットレス選びは「高価格」イコール「自分に合う」とは限りません。自分にぴったりの硬さや寝心地のマットレスを選ぶ必要があります。ただし、高価格帯のマットレスは機能性に優れているため、長期的に見れば投資する価値があるものも多いといえます。
「実際に使ってみないと自分に合うかどうかわからない」と、どうしても不安になってしまう場合は、返金保証のあるマットレスを選ぶのもおすすめです。
マットレスの選び方については「寝心地がよい快適なマットレスの選び方とは?タイプやサイズ別に徹底解説!」でさらに詳しく解説しています。
ぜひご自身の予算の中から、もっとも納得できるマットレスを見つけてください。
監修:上級睡眠健康指導士 松本 恭